クロスローラベアリングとは
ベアリングは、軸を滑らかに回転させる部品
「ベアリング」という言葉を聞いて、皆さんは、まず、どんなものを想像しますか?
日本語に訳すと「軸受」ですが、その名の通り、ベアリングは、軸を正確かつ滑らかに回転させるために使用されるものです。自動車などの輸送機械を始めさまざまな機械に使われますが、機械の大小に関わらず、回転する部分がある機器には必ず存在するといっても過言ではないでしょう。一般的なベアリングというと「ボールベアリング」(玉軸受)です。このような形をしています。真ん中にモーターなどの軸が入って、それが滑らかに回転するための仕組みとしてボールが入っています。
ボールベアリングの弱点を克服するために
このボールベアリングは、接触面が点となるため、一台だけでは支持できません。そこで、ふたつのボールベアリングを組み合わせて、支持をするという方法がとられています。
軸に対してのラジアル剛性を高めるために、ふたつのボールベアリングの支点の間隔を長く取る必要があります。
しかし、これでは、装置全体が大きくなる原因にもなり、小型化の要求に応えるのが難しいのです。ひとつのベアリング部品だけで、ラジアル・アキシャルの動きに強いベアリングが待望されていました。そこで今から15年ほど前、画期的なアイデアとして生まれてきた「クロスローラベアリング」の製造を開始しました。
軸に対してのラジアル剛性を高めるために、ふたつのボールベアリングの支点の間隔を長く取る必要があります。
しかし、これでは、装置全体が大きくなる原因にもなり、小型化の要求に応えるのが難しいのです。ひとつのベアリング部品だけで、ラジアル・アキシャルの動きに強いベアリングが待望されていました。そこで今から15年ほど前、画期的なアイデアとして生まれてきた「クロスローラベアリング」の製造を開始しました。
なぜ、いま、クロスローラベアリングか?
あらゆる角度から荷重されても強い
クロスローラベアリングの外見的な特徴は、球形ではなく、円筒形のコロを採用していることです。この円筒コロを90度のV溝に交互に並べていきます。こうすることで、接触面が点ではなく、線となるため、大きな荷重にも耐えられるようになります。しかも、軸の曲げ力(曲げモーメント荷重)、軸のラジアル方向の力(ラジアル荷重)、軸スラスト力(軸の長手方向の荷重)のいずれの方向に対しても強く、何よりも、ひとつの部品だけで、必要な剛性を確保することができるようになります。
1.大きな剛性
フルローラ型クロスローラベアリングは、アンギュラボールベアリングを
組合わせで使用するのに比べ、4倍以上の剛性になります。
2.大きな負荷容量
ボールに比べ、コロの接触する部分が長いため、負荷容量が大幅に向上します。
フルローラ型クロスローラベアリングは、アンギュラボールベアリングを
組合わせで使用するのに比べ、4倍以上の剛性になります。
2.大きな負荷容量
ボールに比べ、コロの接触する部分が長いため、負荷容量が大幅に向上します。
どのような用途に適しているか
クロスローラベアリングの最大のメリットは、最小限にコンパクト化しながら、高い剛性を得ることができること。ですから、工業用ロボットをはじめ、ヒュマノイド型ロボット、または介護用のロボットスーツなど、人間の腕のように関節を曲げる部分には最適です。
小型かつ精密な動きが要求されるIC製造装置、計測機器、医療機器、そして最先端の航空・宇宙工学の分野まで、クロスローラベアリングが活躍するフィールドは、未来へ向かって大きく広がっています。
小型かつ精密な動きが要求されるIC製造装置、計測機器、医療機器、そして最先端の航空・宇宙工学の分野まで、クロスローラベアリングが活躍するフィールドは、未来へ向かって大きく広がっています。